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カラマーゾフの兄弟 簡単な解説(ネタバレあり)



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カラマーゾフの兄弟はドストエフスキーの傑作のひとつで、愛憎、金、宗教の絡む長く複雑で面白い作品です。これを読みきってすっと理解するのはなかなか難しいですが、ぼんやりとなら理解できるように図を描いてみました。キャラのところに「実写版」とあるのは、日本の役者がやったらこういう配役かなと直感的かつテキトーに書いたものです(笑) 故人の方もいます。

理解する助けとして押さえておきたいのは、

・フョードルはわりと金持ちで、彼が死ねば子供が相続できる
・カラマーゾフ家の血脈は清純な面と淫蕩な面の両極端の性質を併せ持つ
・出てくる女が魔物的である
・全体的にいやらしい人物が多い
・キリスト教的なことの議論がよく出てくる
・名前とあだ名が違いすぎて混乱しやすい(グルーシェンカ→アグラフェーナなど)

というところ。物語の前半では「大審問官」とか有名なところがあるけど、一般の日本人としてはつまんない感じですね。面白いのはドミートリーがキレてから。長男は元々カテリーナと婚約してたのに、グルーシェンカに一目ぼれしてから全てが狂います。しかも父のフョードルが恋敵になったり、次男のイワンがカテリーナを好きになったりと、もうドロドロ。その中で唯一の救いであるアリョーシャの清純さが光ります。カラマーゾフ家は清純な面と淫蕩な面がありますが(というか人間のほぼ全てはそうだろうけど)、清純さが優性に遺伝しているのでしょう。彼はキリスト的に物語の中で活躍します。その中で悪魔的にちょっかいをかけてくるのがリーズ。この子は村上春樹の「ノルウェイの森」で言うならレイコさんを誘惑した少女に近いものがありますね。

ドミートリーはグルーシェンカのところに行きたいけど、元婚約者にした借金がプライド的に我慢できません。そもそもグルーシェンカの気持ちを確かめないでストーカー的に突っ走ってるのは笑えるんですが、その行動力がカラマーゾフ的で狂おしく、面白いです。3000ルーブル(1ルーブルは今の1000円くらい)使って(実際には1500だが)、何もさせてもらえなかったり、親父と両天秤にされてからかわれたりと汲々とするドミートリー。まあでも実際にこういうことは人生で起こりますよね。読んでてしみじみとつらいです(笑) ドストエフスキーの辛酸のなめっぷりに萌えます。

それでフョードルはまわりから「死ねばいいのに」と思われてますが、極めて健康。年甲斐もなくというか、その年だからこそグルーシェンカを金で釣ろうとしています。オヤジパワー恐るべし。
でも親父が死んで得をするのは長男だけじゃありません。イワンも遺産がもらえるし、恋愛的にも長男が片付いてしまえばカテリーナが自分のものになる可能性があります。そこでスメルジャコフと組んで、何やらごにょごにょとやります。

終盤は裁判です。名弁護士の登場やラキーチンの酸っぱい作戦など見所も多いですが、ここでドミートリーがちょっといいところを見せたりします。読者もびっくり。やきもきする展開ですね。一方アリョーシャはコーリャやイリューシャといった子供たちと関わります。これはカラマーゾフの兄弟の未完の続編の前フリだったと思いますが、ドストエフスキーが死んでしまったので残念なところ。「次郎物語」の途切れっぷりと似たような残念さがあります。

謎としてはスメルジャコフの父が誰なのかというところですが、フョードル説やグリゴーリー説があるようです。スメルジャコフの癲癇や女性の狐憑きにも似た病も頻繁に出てきますね。

あと、ゾシマ神父が奇跡を起こさず腐臭を漂わせてしまったとことか、ホフラコーワ夫人の引越しオバサン並みの狂乱っぷりとか見所たっぷりです。あまりにホフラコーワ夫人のうるささに腹がたってしまい、本を床に叩きつけちゃいました。亀山郁夫さん、スイマセン(笑)

ともかく長編の中にいろいろな読みどころがあります。さすがは世界的な名著ですね。秋の夜長にガシガシ読みたい本です。

関連→『カラマーゾフの兄弟』について




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